NEWSニュース

2015年8月のネット炎上月次速報レポートを発表

概況炎上71件、約26%増(前年同月比)

8月のネット炎上件数は前年同月比26%増の71件となりました。前月同様に数か月横ばいが続いていますが、昨年に比べるとまだ高い水準と言えます。不適切発言・画像に対する批判は依然として多く全体の47.5%を占めました。その他で目立った内容は、盗作への批判が15.3%、某イラストレーターの盗作疑惑がメディアで大きく報じられて以降、関連した批判が増加しました。セキュリティ対策への批判は8.6%で、特に行政組織への批判が多い結果となりました。

月間炎上数の推移

月間炎上数の推移図

TOPIC問われる企業倫理。商品がナチスのシンボルに酷似しているとして炎上、販売見合せへ

某小売企業が、ナチスのシンボルマークをあしらったネックレスを販売していると話題となったケースです。ナチスのシンボル使用禁止は欧米の理屈だから批判は過剰とする人や倫理的に問題で不快だとする人に意見が分かれ、議論が白熱したことでさらに話題となり、最終的には販売を見合わせる事態となりました。

<解説>

この炎上には3つの要素があります。

時期的な要素

8月は終戦記念日があることから、日本では特に戦争に関する話題に対してより強く反応する傾向があります。上のケース以外にも原爆、植民地、領土問題に関連した投稿・発言への批判が他月に比較して多くみられました。こうした時期特有の話題には特に注意する必要があります。

企業倫理

倫理観が問われるものについては、企業の行為や発言は一般人や有名人のそれよりも厳しく批判にさらされます。損害を最小限にするためにはインターネット上の反応を常に確認し、販売開始前のダブルチェックなどの体制再編や、炎上後の適切なコミュニケーション方法を備えておくことが必要です。

議論型炎上

議論型炎上とは、炎上のもとになった内容に対する意見がインターネット上で分かれることでさらに炎上が過熱するタイプのものです。批判する人・擁護する人に分かれる内容は、誰が見ても批判される単純な内容よりも激しく炎上、長期化する傾向があります。

監修清澤 秀彰(ソーシャルリスクアナリスト)

東京大学法学部卒業後、株式会社エルテスに入社。予防ソリューショングループで数多くの案件のリスク分析を行う。特に炎上案件の分析を得意とする。

ネット炎上月次速報レポートについて

ネット炎上月次速報レポートは、リスクに特化したビッグデータ分析を得意とする当社が、前月のネット炎上件数を独自に算出し発表するマンスリーレポートです。本レポートを毎月公開していく事で、企業や社会が抱えるデジタルリスクへの意識喚起を行ってまいります。

ネット炎上
ツイッターで50回以上のリツイートがされ、特定のまとめサイトにまとめられたものから、当社が“炎上”としたもの