概況炎上111件、約34%増(前年同月比)
1月のネット炎上件数は前年同月比34%増の111件となりました。炎上の発生主体として多かったのは、従業員によるものが31.9%と多く、ついで企業によるものが12.7%、有名人によるものが7.8%と続きました。某コンビニチェーンのアルバイト男性が客の個人情報を利用してFacebookで私的なメッセージを送ったり、消防士長が同じく患者の娘の個人情報を利用してLINEで私的なメッセージを送るなど、個人情報の不正使用も大きく炎上し、テレビでも取り上げられました。
TOPICホテルの食器洗い場でアルバイト従業員が「入浴」している写真をTwitterに投稿し炎上
某ホテルにてアルバイト従業員の男性が食器洗い場に自ら入って「入浴」している様子を撮影した画像をTwitterに投稿したことでホテルに対しても大きな批判がありました。
<解説>
この炎上には2つの側面があります。
バイトテロ
この炎上は、いわゆる「バイトテロ」の典型的なケースです。2013年ごろから全国的に多発し、社会問題化していましたが、その後多くの企業が研修などの対策を実施したことで減少傾向にあったものの、いまでも少なくありません。ソーシャルメディアポリシーの制定や研修の徹底に加え、従業員の投稿を定期的にモニタリングしておくことで炎上を予防しやすくなります。
企業への批判
バイトテロで炎上が起きた際、当人が批判されることは当然ですが、雇い主である企業も批判にさらされるケースがほとんどです。この炎上だと「衛生管理」について企業の責任が問われます。また、イメージ低下や信頼失墜による顧客離れで売上が減少し、倒産にまで追い込まれたケースもあります。たった一人のアルバイトの行動が致命的な経営ダメージを与えてしまいます。
監修清澤 秀彰(ソーシャルリスクアナリスト)
東京大学法学部卒業後、株式会社エルテスに入社。予防ソリューショングループで数多くの案件のリスク分析を行う。特に炎上案件の分析を得意とする。
炎上月次速報レポートについて
炎上月次速報レポートは、リスクに特化したビッグデータ分析を得意とする当社が、前月のネット炎上件数を独自に算出し発表するマンスリーレポートです。本レポートを毎月公開していく事で、企業や社会が抱えるデジタルリスクへの意識喚起を行ってまいります。
- ネット炎上
- ツイッターで50回以上のリツイートがされ、特定のまとめサイトにまとめられたものから、当社が“炎上”としたもの