~企業と従業員に求められる「見られている」意識~
企業が抱えるデジタルリスクを予兆・検知・解決するソリューションを手掛ける株式会社エルテス(本社:東京都千代田区、代表取締役:菅原 貴弘、証券コード:3967、以下「エルテス」)は、2022年の炎上トレンドについてまとめた「2022年の炎上トレンドと2023年のトレンド予測|ネット炎上レポート総集編」をサービスサイトにて発表いたしました。
「サービスサイト:2022年の炎上トレンドと2023年の炎上予測|ネット炎上レポート総集編」はこちら
https://eltes-solution.jp/column/riskreport-2022-summary
◆ ◆ ◆
■背景
2022年も残りわずかとなりました。2022年はスポーツの祭典・北京オリンピックが行われる一方で、ロシア軍によるウクライナ侵攻や台湾有事の可能性が囁かれるなど、世界情勢が大きく揺れ動きました。日本においても、参院選の選挙期間中に起きた安倍元首相の銃撃事件など、大きな混乱が生じました。また直近では、円安やウクライナ侵攻などの影響を受けた物価高騰が私達の生活に大きな影響を与えています。年初では想定できなかった変化が数多く見られた激動の1年だったと言えるのではないでしょうか。
“炎上“や”SNS“という観点で2022年を振り返ると、侮辱罪の厳罰化が7月から施行され、SNS上の誹謗中傷への目は一層厳しくなりました。また、実業家イーロン・マスク氏によるTwitter社の買収は、SNSの在り方を変える可能性があり、現在進行形で大きな注目が集まっています。SNSが普及し、私達の生活に浸透しつつあるからこそ、SNSを巡る動きも活発になっていると考えられます。
■2022年の炎上トレンド
(1) コンプライアンス違反がデジタル空間で拡散し、批判殺到
SNSは、デジタル空間を通じて、あらゆる人々と繋がることが出来ます。これまでは、ある特定の知り合いの中で話題になっていたことが、デジタル空間を通じて情報交換がされることで、瞬く間に情報が拡散される可能性があります。インフルエンサーを介して、爆発的に拡散されることも珍しくありません。
2022年にはコーポレートロゴが描かれた営業車の危険運転がSNS上で拡散され、企業に対する批判が殺到する事例が複数発生しました。交通マナー違反の炎上は、車両へのドライブレコーダーの普及によってコンプライアンス違反の動かぬ証拠となり、SNS上の動画拡散に影響を与えていると考えられます。
その他にも、某食品メーカーの経営者が交通事故を起こした後に暴言を吐く様子がSNS上で拡散されるなど、私達の行動を直接見ている人々の後ろに、SNSを通じて無数の目があることが浮き彫りになりました。春先の某外食チェーンの役員の不適切発言も同様に目の前にいる受講生への発言がSNSを通じて、全世界に発信され、コーポレートイメージの失墜につながった事例もその一つです。
「小さなコンプライアンス違反だから」「周りには人が多くなかったから」としても、それらは重大なリスクの火種となり得ます。改めて、企業は経営陣を含む従業員へのコンプライアンス徹底が求められ、従業員はコンプライアンス違反に対するSNSを通した影響を正しく認識することが必要です。
(2) Webサイトの情報のサイレント削除や修正による炎上
多くの企業がサービスや商品説明などをWebサイトから発信しています。2022年は、企業にとって都合の悪いことが生じた際に、報告せずにWebサイト上の情報を修正し、あたかもユーザーからの指摘をなかったように対応することや、批判を避けるために表現を修正するなどの行為がWeb上で指摘され、多くの批判に繋がる事例が複数見られました。
企業側の視点は、Webサイトの情報を実態に即した内容へ近づけるための修正だと推察されますが、修正した事実の情報発信を行わないことが、リスクの火種となりました。ネット上では魚拓やスクリーンショットなどで一部のユーザーが過去の情報の証跡を残していることが多く、いつの間にか修正されていた事実をSNS経由で知った被害を受けていたユーザーが一斉に企業側へ批判の声を発し、炎上に至ることが実際に起きています。サイレントで情報を修正することは企業の隠蔽体質を疑う声にも繋がり、ブランドイメージが大きく毀損されてしまいます。なぜ企業はこのような対応を取ってしまうのでしょうか。
一例として、広報部門、マーケティング部門、お客様相談部門などの部門間連携が上手くいかず、意図せず修正している可能性が考えられます。しかし、謝罪会見等で原因を明確に説明することや随時情報を発信することに称賛の声が出るようなケースも見られることから、企業の情報開示や広報姿勢のあり方は、かつてとは異なり、常に変化していること、担当者にはアンラーニングが求められていることが明白になっています。
サイレントで情報を修正したことで炎上が発生し、ブランド毀損が発生していることから、インシデントが発生時は責任者や責任部門に情報を集め、ユーザーに寄り添った形で対応の判断を行うことが求められています。
■2023年の炎上はどうなるのか
これからのSNS炎上を考える上で、最も注視しなければならないのは、「イーロン・マスク氏によって買収されたTwitter社の動向」です。炎上の舞台となってきたTwitterサービスの仕様変更はSNS空間の言論に大きな影響を与える可能性があります。公式アカウントの有料化などによりなりすましの発生などのリスクが高まる可能性も考えられます。また、Twitterの仕様変更によりSNS炎上の舞台が他のSNSやWebメディアに移行する可能性も考えられます。
さらに、「人権問題などを含むESGと呼ばれる領域に関する批判」についても注視する必要があります。現在、投資家を中心にESG活動に力を入れる企業を応援していくという流れが生まれています。上場企業には、2023年3月期の決算開示から人的資本開示の義務化がなされ、インフレの中で従業員への分配が行われているのか等の開示を行う企業も出てきます。サプライチェーンを含む人権問題や人への投資といった注目が集まる中で、この領域に関する情報発信やリスクマネジメントは大きな注目を集めると想定されるため、炎上の火種となる可能性があります。
エルテスでは、炎上への理解を深めていただくことを目的として、毎月配信している炎上レポート※1の発信や炎上事例解説セミナー※2も行っておりますので、ぜひ御覧ください。また、これらの情報をメールマガジンにて発信しておりますので、ぜひご登録ください。
・メールマガジン登録フォーム:https://eltes-solution.jp/mail-form/
・コラム掲載記事はこちら:https://eltes-solution.jp/column/riskreport-2022-summary
【解説者】
株式会社エルテス 奥村高大
プロフィール:
大学卒業後、金融機関、コンサルティングベンチャーを経て、2018年に株式会社エルテスに入社。マーケティングGrにて、デジタルリスクラボの立ち上げ、運営、執筆を行う。
<参考情報>
※1:「エルテスが毎月配信している炎上レポート」はこちら
※2:「エルテスが開催するセミナーページ」はこちら
<補足情報>
エルテスの定義するネット炎上
▼条件
以下の二つの条件を満たしている必要がある
(1)批判や非難が発生している(ポジティブな共感の拡散等ではない)
(2)対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較しても有意に多い状態である
▼定義
ネット炎上とは、「オフライン・オンラインでの行動や発言に対して、ネット上で批判が殺到し、拡散している状態」を指します。
▼炎上事例の収集方法
SNSやメディアの中で、批判が殺到しやすい媒体を複数選定し、常時ウォッチング。その中で、上記の条件を満たす事象を確認した場合、炎上事例と認定しています。
◆ ◆ ◆
[会社概要]
■株式会社エルテス(証券コード:3967 グロース市場 https://eltes.co.jp/)
「健全にテクノロジーが発展する豊かなデジタル社会を守り、デジタル社会にとってなくてはならない存在になること」をビジョンに掲げています。インターネットやSNS、テレワークなどの普及で進化し続けるデジタル社会に潜む新たなリスクから企業を守るソリューションを提供するデジタルリスク事業に加え、 従来型の人的警備にデジタル技術を融合してスマートな警備業を創出する AIセキュリティ事業、行政・企業などあらゆる組織の DX化を促進する DX推進事業を展開することで、デジタル社会の発展をサポートしていきます。
会社名 :株式会社エルテス
代表者 :代表取締役 菅原 貴弘
所在地 :東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビルディング 6F
創業 :2004年4月28日
URL :https://eltes.co.jp/
事業内容:リスク検知に特化したビッグデータ解析によるソリューションの提供
[関連サイト]
デジタルリスク対策サービス一覧 :https://eltes-solution.jp/
採用情報 :https://eltes.recruitment.jp/
公式オウンドメディア「エルテスの道」:https://eltes.co.jp/ownedmedia/
公式Twitter :https://twitter.com/eltes_irpr