
なぜ、サークル活動なのか?部署も役職も越えて「成長する会社」の文化
過去の「エルテスの道:人と組織がともに育つ、組織デザインの最前線」では、社員一人ひとりの自律的な成長と、それを支える人的資本投資について人事/労務グループの取り組みをお伝えしました。今回はそのコーポレートデザインの一環として、2025年7月より再開したサークル活動、および、その補助制度についてご紹介いたします。
インタビューでは、ご自身もランニングサークルに所属し、その経験からサークル活動の再開を推進した人事/労務グループの小室さんに、制度再開の背景や、このタイミングでサークル活動を実施することの意義を伺いました。
社員同士のつながりを育てる、サークル活動の仕組みと支援制度
――サークル紹介
現在のエルテスでは、下記の5つのサークルに代表の菅原さんをはじめ計52名が参加しています。


――補助制度の概要
制度の概要については、人事グループで制定され、全社員に周知されています。


アンケートで見えた、社員の本音
既存の5つのサークルに所属する社員を対象として、活動、および補助制度に関するアンケートを実施しました。ここでは、そのアンケート結果をもとに、社員がサークル活動に参加したきっかけや、社員が感じているサークル活動のメリットについてご紹介いたします。
――「サークル活動に参加してみようと思ったきっかけは?」
約半数の社員が「もともと自主的に活動していたため」、「活動内容に興味があったため」という回答を選択しており、経験の有無を問わず、サークルの活動内容そのものに興味を抱き参加した社員が多いことが分かりました。それだけ、社員の趣味や、興味・関心が反映された、魅力的なサークルが充実していることが分かります。
また、「人脈を広げるため」という回答も3割以上の社員が選択していました。サークル活動を業務外の社員同士の交流の場として捉え、積極的に参加している社員が多くいることも分かりました。
――「サークル活動の補助制度ができたことについてどう思うか?」
大多数の参加者が「普段あまり関わる機会のない部署の人ともサークルを通じて交流することができる」という人脈の観点のメリットと、「金銭的補助があると人が集まりやすく、個人の懐も助かる」という金銭面のメリットを挙げていました。
補助制度の復活により、活動が活発化し、社員同士の交流の場として発展するという好循環を生み出しています。
――「実際に活動してみて良かったことは?」
「活動を通じて、業務上のつながりしかなかった方々の新しい一面を知ることができた」、「仕事を忘れ、リフレッシュになっている」、「面白さに気づき、新しい趣味の可能性が拓けそう」、「普段やらないことをやるきっかけになる」、「業務上関わらない人ともコミュニケーションを取ることができた」などの回答が寄せられました。
活動内容そのものの楽しさに加えて、副次的なメリットを感じている社員も多い様子で、好意的な声が多く寄せられました。
制度再開の背景にあった想い―。担当者が語るサークル活動の意義とは?
――まず、サークル活動補助制度の設立に至った経緯を教えていただけますでしょうか?
小室 背景としては、人事グループで定期的に実施している全社員へのアンケートの結果、「部署内外、および上下間のコミュニケーションをもっと活発化させたい」という意見が挙がったことが大きいです。エルテスの組織的な特徴として、100名程度の規模感ながら非常に多様な人材が集まっていることが挙げられます。プロモーション、営業、CS(カスタマーサクセス)、分析、システム開発、管理部門といった職種に細分化されていますし、新卒・中途といった入社経路の違いに加え、海外出身者やシニア層などバックグラウンドも様々です。さらにコロナ禍以降はテレワークが浸透し、働き方も多様化しました。こうした状況から、より事業・部署間の隔たりが大きくなり、社内コミュニケーションの希薄化に関して、人事グループとして危機感を抱えていました。

社内コミュニケーションの活性化という意味では、飲食を通じたコミュニケーションや交流の活性化を支援するための「チームビルディング制度」を既に導入していたので、次は飲食外での繋がり・コミュニケーションの場を作る仕組みが大切だと考え、過去にあったサークル活動、補助制度を復活させました。
コロナ禍で対面での接触を会社として推奨できない環境となり、一度は無くなったサークル活動ですが、ゴルフ部やランニング部は有志で活動が継続されていて社内の重要なコミュニティになっていたこともあり、再度活動を活発化させ、社員同士の交流の場になるよう復活させよう、という方向に舵を切るのは比較的早かったです。
――具体的な制度の中身についてはどのように決めたのでしょうか?
小室 先ほどお話しした通り、元々あった制度をベースにしています。そのうえで、生成AIを活用しながら新たにどのようなサークルが申請されそうかを予想し、その場合の補助内容や補助範囲などを経理部門などに相談しつつ、詳細な条件を固めていきました。一つ拘ったのは、より多くの方にサークル活動に参加していただくために、従来のスポーツ系以外のサークルが生まれた場合にどこまで補助の範囲に含めるかというものでした。補助範囲に飲食費用は含めないというルールのうえで、「バンド経験者が多いから軽音サークルができるかも」、「アイドル好きな子も多いから推し活サークルもあるかも」など、あらゆるケースを考え、その場合どういった活動は補助範囲か、一つ一つ対象/対象外を整理しました。
――小室さんご自身もランニングサークルに所属していますよね。サークルに参加して良かったことはありますか?
小室 コロナ以前のランニング部から所属しています。そもそも人事部門のメンバーとして入社したこともあり、「3ヵ月以内に社員全員と話す」という目標をたてるなど、なるべく早く社員の顔と名前を覚えたいと考えていました。そのタイミングでサークル活動の存在を知り、参加しておけば社員の顔と名前も覚えられるうえに、他部署の方々と交流もできるので効率的かと思い参加を決めました。その甲斐あって、部署問わず色々な人とフランクに話せるような関係を築くことができたので、あの時参加して良かったと今でも思っています。それだけではなく、もともとランニングの習慣があったわけではないですが、サークルに参加したことで走る楽しさを覚え、毎月30キロを目標に個人的にも走り続けています。サークルの直近の活動としては、東京マラソンに出場するサークルメンバーの応援のために休日に部の仲間で応援に出かけたりと、仕事の垣根を越えた交流の場として発展しています。

――サークルに参加する社員から、補助制度に関する声は届いていますか?
小室 参加者の話を聞く限り、みんな楽しんでいる様子です。入社当時の私と同じように「色んな人と話したい」という考えの人や、「とりあえず顔を覚えて欲しい」という考えの新入社員も参加しているようです。
ゴルフサークルには代表の菅原さんや大阪支社の社員も参加していたり、ランニングサークルには副社長の伊藤さんも参加していたりと、部署や役職の垣根を超えた交流の場として非常に良い環境になっています。
人事としては、こうしたサークル活動を通じて、社内の新たなつながりが出来ていることに嬉しさを感じています。仕事でも活きるようなメンバーの意外な一面が見られるだけではなく、他部署の業務に興味を持つきっかけになったり、新しいキャリアへの気付きにもつながっているようです。他部署がどんな仕事をしているのかがなかなか見えにくい中で、部門を超えた繋がりは若手人材のキャリア形成をはじめ、社員に良い影響が出ていると考えています。
――サークルに所属していない社員もいますが、人事として、サークル活動の位置付けはどのように考えていますか?
小室 サークルに所属しない理由は大きく分けて二つかと思います。1つ目は「仕事とプライベートは分けたい」という考え、2つ目は「興味あるサークルがない、参加するきっかけがない」という考えです。前者に関しては、そうした働き方も尊重されるべきなので、もちろん強制はしません。人事としては、福利厚生として提供している以上、全員がそれを享受しやすいような状態にして、周知して、多くの社員に利用してもらえたら嬉しいと思っています。
人事の取り組みの余地としては、後者の考えの社員にどれだけ情報を届けることができるか、だと思います。各サークルがどのような活動をしているかを周知するためにも、社内のコミュニケーションツールで「サークル活動用チャンネル」を立ち上げ、各サークル長には、そこで全社員に向けて活動の予告をするようにしてもらっています。また、参加のハードルを少しでも下げるために、誰がどのサークルに所属しているのかを全社員が常に見られる状態にするなど、細かい活動は色々と取り組んでいます。
先日開催された全社会後の忘年会では、各サークルの代表者からサークル活動について紹介する時間を設けました。改めて、各サークルがどういった活動をしているのかを周知することができ、良い機会になりました。今後も定期的に活動報告の場を設け、サークル参加者が主体的に情報共有をして、参加者を募り、サークルを新設していく、もしくは参加者を増やしていく、といった好循環を作っていきたいと考えています。

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プロフィール
小室 遥(Haruka Komuro) |
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来年、上場10周年という節目を迎えるエルテスは、現在グループ13社体制でそれぞれの事業領域において着実な成長を遂げています。その拡大の原動力となっているのが、社員一人ひとりの自律的な成長と、それを支える人的資本への投資です。今回は、社員が自ら学び、成長するための教育制度について、人事/労務グループの山本さん、中右さんにお話を伺いました。キャリア形成や組織全体の成長に資する教育制度の構築にについて、制度設計に込めたリアルな声をお届けします。




