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エルテスの未来をつくるー。正解のない過渡期を駆け抜ける、AI時代の新たなエンジニア像

目次[非表示]

  1. 1.「現場のど真ん中」で、変わっていくエルテスを見届けたい
  2. 2.「品質を高める開発」へ、変わり始めるAI活用
  3. 3.パイオニアだからこそ、立ち止まることは許されない


エルテスグループで働く仲間は何を考え、何にやりがいを感じているのか――。
従業員個人にフォーカスを当て、これまでの経験や働き方、大切にしている価値観などをインタビューする連載企画です。
エルテスで働く「人」を通して、エルテスグループの魅力への理解をより深めていただけたら…。
第6弾となる今回は、株式会社エルテス史上初の再雇用となった野牧さんに、所属する開発グループについてお話を伺いました。

「現場のど真ん中」で、変わっていくエルテスを見届けたい

――自己紹介と、現在の業務内容を教えてください。

野牧 デジタルセキュリティのシステム開発グループのマネジャーを務め、アプリケーションの保守・メンテナンス、サービスの機能拡張・追加開発などが業務の中心となります。ただ、私が実際にプログラムを書くことはほとんどなく、メンバーのタスク進捗管理や、優先順位のコントロールが私の仕事です。

システム開発グループの業務の中心となる作業は大きく三つあります。
一つは、アプリケーションを安定して「普通に」使えるようにすることです。周りを見てもわかるように、Windowsも日々バージョンアップしているし、脆弱性も年中見つかっていて、ハッキングされているような時代です。その中で、何も事故を起こさないで動かすのって結構大変ですごいことなのですが、何もないとみんなあまり感謝してくれないですね(笑)。
二つ目はインシデントが発生した際の復旧、そして三つ目はサービスの改修・アップデートです。

――エルテスに入社されるまでの経歴も教えていただけますか?

野牧 私自身のキャリアは、1985年、SIerでのシステム開発から始まりました。パソコンに馴染みがあったわけではないですが、初めてプログラムを見た時は衝撃を受けました。それから、自分もプログラムを作れるようになりたい、それを生業としたい、という想いから当時はソフトハウスと呼ばれていたSIer業界を志しました。COBOLやC言語で、在庫管理から地下鉄の運用管理まで、ジャンルを問わず業務ソフトをゼロから作る日々…、そこでエンジニアとしての土台ができました。
その後に移った義肢材料の販売会社では、27年近くを過ごしました。ITが何も整っていない会社に、ネットワークのインフラから基幹システムまでゼロから作り上げ、外注折衝、現場との要件定義、経営との予算交渉など、色々やりました。作って終わりではなく、育てて、架け替えていく経験をここで積みました。
この経験は、デジタルセキュリティ領域のSR事業とIRI事業という二つの現場を見る今の仕事に、確実に活きていると感じています。

そして、エルテス。
安定した環境で働き続ける中で、「もう少し現場目線で、荒波の中で仕事したい」という想いが強くなり、50歳も半ばでしたが入社を決めました。会社としてやりたい事がたくさんある環境で、さらにその「現場のど真ん中」で働くことができ、今とてもやりがいを感じているところです。

――先日定年を迎えられましたが、再雇用という形でエルテスをまた選んでくださいました。エルテスでの再雇用は野牧さんが史上初とのことですが、何が決め手だったのでしょうか?

野牧 会社に不満があるわけでもないので、再雇用は既定路線かもしれませんが、正直他の会社を選べなくはなかったです。でも、これだけアクティブで面白い会社で、変化を楽しみつつ自分を磨いていくという意味では、エルテス以上の会社はないと思いました。

また、環境の変化も決断の要因の一つとして大きいです。業界全体でAI活用がすさまじい勢いで進んでいるのを目の当たりにしたことで、「このままでは置いていかれる」という危機感と、「これは面白いことになってきた」という好奇心が、同時にこみ上げてきました。危機感だけなら身構えて終わりだったかもしれませんが、好奇心のほうが強かったです。
どの職種にも確実にAIの波は来るだろうけれども、その波の影響を受けるのは私はエンジニアが最初だと思っています。ただ、悲観しているのではなく、エンジニアという職業そのものがAIによってこれからどう変わっていくのか、その答えをまだ誰も持っていない、だからこそ面白いと思っています。この渦の真ん中に自ら飛び込み、「チームを育て、次の世代に知見を渡していくこと」そして、「システム開発グループがこれからどうなっていくのかを自分の目で見届けること」、この二つの使命を成し遂げたいと思いました。ベテランが若手に道を示す、という話ではなく、誰も答えを知らない時代の変化を、若手と一緒に面白がりながら進んでいく。そんな伴走者でありたいと思っています。

「品質を高める開発」へ、変わり始めるAI活用

――ここからは、システム開発グループで進んでいるAI活用について教えてください。

野牧 いまシステム開発グループでは、ほぼ全ての業務でAIが相棒になっています。Claude Codeでコードや社内ツールをつくり、設計レビューや仕様チェックといった上流工程でAIの視点を借り、企画書やドキュメントもAIとまとめる。コードを書く「川下」から、設計をレビューする「川上」、企画やマネジメントまで、あらゆる場面でAIを使いこなしています。もちろん、私の仕事であるメンバーが書いたプログラムのレビューもAIの力を借りています。
面白いのは、AIの使い方に世代ごとの役割分担が自然に生まれていることです。若手はAIで生産性を爆上げし、次々とアウトプットを出す。ベテラン層は要件定義や設計といった上流を担い、若手のアウトプットをAIも駆使してレビューし、品質を仕上げていく。土台を描く力、作る力、見極める力。これらが世代を越えて噛み合うことで、チーム全体のスピードと質が両立しています。

実は、AIを先に使いこなしたのは、私ではなくメンバーたちでした。メンバーから自発的に「AIを使いたい」という申し出があったので、業務の効率化に役立つのであれば、と許可したところ、設計書や実装がすごい勢いで上がってくるようになりました。レビューが追いつかず、私のところで仕事が詰まってしまうような時期があったほどです。そこで私もすぐにAIをレビューに活かすようにしたところ、スピードは一気に上がり、詰まりは解消しました。気がつけば、メンバーが私のお尻を叩き、私がAIを駆使して品質を仕上げていく、という面白い構図ができていました。

――ほぼ全ての業務に!まさに相棒ですね。

野牧 ただ、私が伝えたいのは「AIを使っている」という事実そのものではありません。私たちは今、AIを使って”アウトプットの品質を高める”開発へと変わり始めていて、ここが本質です。
確かにAI活用により速度は格段に上がりました。ただ、システム開発グループは、できたものをそのまま信じる部署ではいけません。「AIはこう言っているけれども、本当にそれでいいのか」というのはメンバーにも改めて考えてもらいますし、私も考えます。その作業には時間がかかりますが、最終的に我々が求めているものは品質なので、上がるスピード感の中でどれだけ高いクオリティを出せるかに今挑戦しているところです。
AIで「ただ動くもの」を作るだけなら、近い将来、非エンジニアでもできるようになるはずです。しかし、AIが書いたコードや設計案をそのまま鵜呑みにするのではなく、その品質に責任を持って向き合えるか、それが、AI時代のエンジニアに求められる本当の力であり、エンジニア集団である私たちの存在意義だと考えています。

正直な危機感もお話しておきます。AIは、エンジニアの仕事を根本から変えつつあります。この変化に本気で向き合い、自分を進化させ続けなければ、極端に言って「要らないエンジニア」になってしまいます。でも、この危機感は後ろ向きなものではありません。むしろ逆で、「変わらなければ淘汰される」という切実さがあるからこそ、今この瞬間に立ち会えていることが、途方もないチャンスに見えてくると思っています。危機とチャンスは、いつも背中合わせなのです。

――品質としての成果も出ているのでしょうか?

野牧 エルテスでは、本番環境で起きた突発的なトラブルを記録し、原因まで分類しているのですが、そのデータにも顕著に表れ始めています。AI活用が本格化した今期(2026年3月〜)を前の半期と月平均で比べると、突発対応の件数はおおむね半減しています。「障害」レベルのトラブルに至っては、7割以上減りました。
特に注目しているのは原因の内訳です。減っているのは、クラウド基盤のような外部要因ではなく、設計の考慮漏れや仕様の見落としといった、私たち自身の「上流工程の品質」に起因する問題です。AIを使った設計レビューや事前チェックが効いている部分だと考えています。つまり、今までゴリゴリ手を動かして作業していた部分をAIに任せて、エンジニアがエンジニアとしての仕事をする部分に時間を割けていることで、品質が上がっています。もちろん、すべてがAIの成果だと言い切るつもりはありません。案件量の波もありますし、今期はまだ途中です。それでも、「品質に責任を持つ」という姿勢が数字にも表れ始めている手応えは、確かに感じています。

――AI活用で効率化が進めば、人手は不要になる気がしますが、そんなことはないのでしょうか?

野牧 現状を維持するのであればAIで効率化した分の人員を減らしてもいいかもしれません。ただ、エルテスのやりたいことは非常にたくさんあります。作りたいものも、作る数もどんどん増えていきます。競合他社に負けないように、既存サービスの機能拡張もしなければならない。そうなった時には、やはり人手が必要になります。その人たちがAIを駆使して、新しいものを作っていかなければ、エルテスは現状維持のまま社会から取り残されることになってしまいます。

――なるほど。逆に、AIの改善点や伸びしろはどこにあると思いますか?

野牧 AIを使うと資料や事務処理も自動化できますし、非エンジニアの方々でもプログラムが簡単に作れるようになります。しかし、それはAIが集められる情報から作ることで、そこには、部署のノウハウや個人の経験は反映されません。つまり、AIができることは、見えるところ、通り一遍のところだけです。非エンジニアの方がプログラムを作ってもそこが限界で、本当はもっと早く動くかもしれないし、本当はもっと安全な仕組みを作らなければいけないかもしれません。
「○○とAI」という言葉があり、AIだけならAIが知っていることしかできませんが、○○のスキルや経験をAIと掛け合わせると、すごいものができるようになります。これからはAIの便利さを使うとともに、個人のこれまでのスキルや経験をさらに大事にして、その人たちがどうAIを使っていくかが重要になると思います。

パイオニアだからこそ、立ち止まることは許されない

――野牧さんが理想とする将来のエルテスはどんな姿でしょうか?

野牧 エルテスは、デジタルセキュリティのパイオニアとして、この分野の第一線を走り続けてきました。Webリスクモニタリング、そして近年ぐんと伸びているInternal Risk Intelligence(内部脅威検知サービス、「IRI」)をはじめとするシステムは、長年の実績に裏打ちされた、事業の心臓部です。ですが、AI時代のまっただ中にあって、私は「このままではいけない」と考えています。実績があるからこそ、その上にあぐらをかくわけにはいきません。パイオニアだからこそ、先頭に立ち続けるためには、誰よりも早く次に何ができるかを見つけ出す責任があります。
いま取り組んでいるのは、WebリスクモニタリングやIRIといった主力サービスを、AI時代にふさわしい形へ進化させることです。単なる機能追加ではなく、AIを前提にしたとき、「お客様に、これまで届けられなかったどんな価値を届けられるのか」を一から問い直し、その新しいサービスを支えるシステムを作っていく作業です。パイオニアが切り拓いてきたものを、次の時代へ架け替えていく…、会社の未来そのものを作る仕事だと思っています。

――システム開発グループとしては、どんな組織になっていたいですか?

野牧 今のシステム開発グループは、ベテランが若手を引っ張るのではなく、若手がベテランを進化させる、そんな逆転が日常的に起きていて、年齢や立場に関係なく、良いものは良いと認め合える良い空気感があります。この空気感を大切にしつつ、「言われたものを作る」チームではなく、「次に何を作るべきかを自分たちで考え、AIを駆使して形にできる」チームを目指していきたいです。

――最後に、これから入ってくる新しい仲間に向けて、メッセージをお願いいたします。

野牧 エルテスで働くことで二つのものが得られると思います。一つは、AIネイティブな開発手法を、過渡期の作り手として体得できること。出来上がったマニュアルをなぞるのではなく、AI時代のエンジニアの働き方そのものを、自分たちで作っていく経験です。もう一つは、パイオニア企業の主力システムを次の時代へ架け替えていく現場に、当事者として立ち会えること。技術が会社の未来を左右する、事業のど真ん中の瞬間を経験できます。AI活用の正解は、まだ誰も持っていません。私たちの現場も完成された環境ではなく、日々試行錯誤している最中ですが、それこそが面白い。出来上がった仕組みに乗るのではなく、過渡期の最前線を一緒に駆け抜けることは、他では得られない財産になるはずです。

だからこそ、私たちが一緒に働きたいのは、変化を恐れず、AIを「奪われる脅威」ではなく「使いこなす武器」として捉えられる人です。そして、言われた通りに動くのではなく、自ら学んで動くバイタリティがあること。これからの時代、「AIに仕事を奪われそうだ」と怯えていてはメンタルがやられてしまいます。そうではなく、「AIを使い倒して新しいエンジニアの世界を作っていくのだ」という覚悟がある人が強いと考えています。

最後に、今いるメンバーにも、これから入る新しい仲間にも改めて伝えたいことは、AI時代はエンジニアの危機でもあること、だからこそエンジニア一人ひとりに「努力」と「覚悟」が求められるということです。これをメッセージとして伝えることは、自分に対しても努力を続けなければならないというプレッシャーでもあります。私個人としては、65歳が限界だとは思っていません。自分で限界の線は引かず、可能性があるのであれば、いつまでも挑戦し続けたいと思っています。
数年後に「あのAI時代の始まりを、最前線で経験できて本当によかった」、そう振り返られるチームを、ぜひ一緒に作っていきましょう。

= = =

プロフィール

野牧 義弘(Yoshihiro Nomaki)
株式会社エルテス
SR事業本部 オペレーションマネジメント部 SRシステム開発グループ マネジャー 兼
IRI事業本部 研究開発部 開発グループ マネジャー

1985年、SIerでシステム開発のキャリアをスタート。その後ユーザー企業に転じ、約27年にわたり企業のIT基盤をゼロから構築し、基幹システムの導入・刷新、要件定義、ベンダーマネジメント、総務・人事など会社運営にも幅広く携わる。
2022年株式会社エルテスに入社。現在はソーシャルリスク・インターナルリスク両事業のシステム開発グループのマネジャーとして、AIを活用した品質向上と次世代への技術継承に取り組んでいる。

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